システムインテグレーションを事業の柱とし、東芝グループ内外の様々な顧客へソリューションを提供する東芝デジタルソリューションズ株式会社。同社では、これまでオンプレミス案件を中心に担ってきたインフラ部門が、将来の事業拡大を見据え、クラウド人材の育成に乗り出しました。今回は、AWS社が提供している実践的なトレーニングプログラムの一環として「CloudDriver」を導入いただいたデジタルエンジニアリングセンターマネージドサービス第二部のお二方に、導入の背景や成果、そして今後の展望についてお話を伺いました。今回お話を伺った方東芝デジタルソリューションズ株式会社影山 様デジタルエンジニアリングセンターマネージドサービス第二部 シニアマネジャー大川 様デジタルエンジニアリングセンター マネージドサービス第二部 インフラインテグレーションサービス第一担当 マネジャー事業内容と部署の役割についてー まず、貴社の事業内容と、お二人が所属されている部署の役割について教えてください。影山様: 私たちは東芝グループの中でSIerとしての役割を担う会社です。その中で、私たちの所属する「デジタルエンジニアリングセンターマネージドサービス第二部」は、特定の業種に縛られず、システム基盤の設計・構築を専門に手掛ける、いわば「非機能要件」を担う実行部隊です。他の基盤系の部門が、ネットワークやストレージ、特定ベンダー製品といった「技術カット」で専門性を追求しているのに対し、私たちの部署は「案件カット」で動くのが特徴です。プロジェクトの要件定義からカットオーバーまで、お客様の課題解決に寄り添い、プロジェクトを完遂させることをミッションとしています。私は50名ほどの部下を率いるシニアマネージャーで、大川は私の下で官公庁系の案件を中心に見てくれているマネージャーです。CloudDriver導入の背景と課題ー 今回、AWS社が提供するトレーニングを導入される前、人材育成においてはどのような課題を感じていましたか?影山様: 正直に言うと、ここ数年は体系的な教育ができておらず、「現場こそが人を育てる」という考えの下、OJT(On-the-Job Training)に大きく依存していました。そのこと自体に課題を感じていなかったのですが、最近になって30代の社員が将来に対して大きな不安を抱えていることが分かってきました。大川様: OJTで育ってきた私たちのような世代からすると、やれる仕事の範囲が広がる30代は一番楽しい時期だと考えていました。しかし、大規模案件にアサインされることが増える中で、自分のスキルが特定の環境に依存してしまうのではないか、という不安を感じる社員がいたのです。影山様: このままではいけないと、去年あたりから技術的な育成にもう少し力を入れていきたいと考え始めました。いわば、「課題を感じていなかったこと」が一番の課題だったわけです。ー OJT中心の文化から、AWSのトレーニング導入へ踏み切ったきっかけは何だったのでしょうか?影山様: 私たちの部署は、これまでオンプレミスの案件がほとんどで、クラウド案件の依頼はなかなか来ませんでした。クラウドはオンプレミスに比べて技術的な敷居が低いため、アプリケーション開発のチームがインフラまで手掛けるケースもあります。しかし、オンプレミスを知っている我々だからこそ、クラウドへの移行案件などで価値を発揮できるはずだと考えました。そこで、部門としてクラウドのスキルを強化し、事業の幅を広げていくために、AWSのトレーニングプログラムを導入することを決めました。CloudDriverの評価と導入後の成果ー 様々なトレーニングがある中で、CloudDriverの評価はいかがでしたか?影山様: 同時期に座学やトラブルシューティング形式のトレーニング(AWS Jam)も実施しましたが、CloudDriverとAWS Jamは、参加したメンバーから「楽しかった」「やりがいがあった」という声が圧倒的に多かったですね。教育において「楽しい」と感じることは非常に重要な要素だと考えています。大川様: これまで座学で知識として学んできたことが、「実際はこうなっているんだ」と感覚的に理解できた点が非常に良かったと思います。私自身、現場での苦労を通じてスキルを身につけてきましたが、それを体系的な教育プログラムで体験できるのは、今の時代のエンジニアにとって非常に価値があると感じます。ー 導入によって、どのような成果やメリットを感じていますか?影山様: すぐにAWS案件が増えたわけではありませんが、参加したメンバーのマインドが大きく変わりました。トレーニングをきっかけに自主的に学習を進め、AWSの認定資格(Japan All AWS Certifications Engineers)を取得した若手も出てきました。こうした成功事例は、「我々の部署にもクラウドを任せられる人材がいる」という社内への強力なアピールになります。大川様: 資格を持っているだけでは自信が持てない社員も多い中、CloudDriverのような実践に近い経験を積むことで、「自分はできる」という自信につながったと感じています。今後AWS案件が出てきたときに、物怖じせずに取り組めるようになったのは大きな収穫です。今後の展望とメッセージー 今後、従業員の皆様にはどのようなスキルを期待されますか?影山様: 私自身はオンプレミスしか知らない世代ですが、これからのエンジニアには、オンプレミスかクラウドかを意識せずに、最適なインフラを提供できる人材になってほしいと強く願っています。CloudDriverのような、自分で考えて手を動かし、アーキテクチャを構築する楽しさを体験できるトレーニングは、そうした人材を育てる上で非常に有効だと感じています。大川様: 自信を持って仕事に取り組むためにも、こうした教育を通じて理解を深め、資格取得などを通じてモチベーションを高めていってほしいですね。ー 最後に、CloudDriverの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。大川様: これからクラウド技術者の「裾野を広げたい」と考えている企業にとって、最初のステップとして非常に良い教育プログラムだと思います。影山様: そして何より、「やった人が楽しいと思える」という点が一番のおすすめポイントです。仕事でAWSを扱ったことのないメンバーたちが、これだけ楽しんで取り組めたという事実は、このプログラムの魅力を何よりも物語っていると思います。エンジニアが「使いこなす喜び」や「技術習得の楽しさ」を感じられる、素晴らしい教育プログラムです。取材を終えてOJTの文化が根付いていた組織が、時代の変化に対応し、社員の不安に真摯に向き合うことで新たな一歩を踏み出した今回の事例。影山様と大川様の言葉の端々から、メンバーへの深い愛情と、組織をより良く変えていこうという強い意志が感じられました。「楽しい」というポジティブな感情を起点に、社員のスキルと自信を育む取り組みは、多くの企業にとって大きなヒントとなるのではないでしょうか。東芝デジタルソリューションズ株式会社様の今後の更なる飛躍を祈願いたします。